FILCOのニュータイプな60%レイアウトのメカニカルキーボード『Majestouch MINILA-R Convertible』を買ってみた

2020年8月に発売されたFILCOのキーボード「Majestouch MINILA-R Convertible」。
「Majestouch MINILA Air」の後継機となる60%レイアウトのメカニカルキーボード。Bluetooth 5.0でのワイヤレス対応や”Patch Keycap”なる新キーキャップ採用、それに複数のキーコード変更可能など独自の進化を遂げていて、これならメインで使えるかもと思い購入。ついでにざっと触れてみます。
DIATEC|ダイヤテック株式会社 MINILA-R Convertibleのご紹介
https://www.diatec.co.jp/shop/MINILA-R/

仕様・特徴に関しては公式サイトを参考に。今回自分が購入したのは日本語配列・赤軸・マットブラックのモデル。パッケージはFILCOらしいデザインになっていますが、7年前に出た初代のパッケージに比べれば垢抜けた感があり。

内容物はキーボード本体・交換用キーキャップ・専用キープラー・USBケーブル(※取り忘れたので映ってない)・単三電池2本・説明書類。キーボードにはプラカバーが被されています。

本体正面。キーレイアウトは初代にあったカーソルキーを省いた事でZの列が左寄りにならず、割と標準的な配列を実現している形。フレームは念入りに塗装処理されているザラついたマットブラック、キーキャップは2段構造で3色を使った新型、その見栄えは想像していたよりも格段に良し。黒一色でフレームやキーキャップは決して上質と言えなかった初代に比べれば洗練されています。

本体側面。この視点から見るとキーキャップがやや薄型でフラットな形状になっているのがよくわかる。それとフレームは上と下が分かれていて色も違うからデュアルレイヤーに該当するのかな?。

本体裏面。フレームの上はマットブラックで下はグレーになっている。キーキャップの側面と同じ色のグレー。電池ボックスや電源スイッチそれにDIPスイッチと色々備わっています。

キーキャップ。"Patch Keycap"と称したこのキーキャップは2つのパーツでできていてトップは着脱できる2段構造。このタイプは2019年のComputexで台湾のメーカーが出展していましたが、そのキーキャップセットはまだ出回っていないようですし他のメーカーが採用しているのも見かけないので、これが初出となるでしょう。

キーキャップのトップは専用キープラーで簡単に取り外す事が可能。でも取り外せるメリットは今のところ特になし。

キーキャップを一般的なタイプと並べてみると高さも形状も全然違う事がよくわかる。このキーキャップは前後を逆にして取り付けても傾斜は変わりませんでしたから本当にフラットです。要はスペースバーなどを逆に取り付けて前傾にするようなスタイルは不可。

キースイッチは本家本元のCherry MX。いい意味で何も語る事はないです。

フレームの質感は上で触れたとおり塗装処理が念入りにされていて、かなりザラザラした質感。ブラックはブラックでも真っ黒ではなく少しグレーが混ざっているような明るみがあり。

一般的なブラックのゲーミングデバイスと並べてみると明るめな色合いなのが一目瞭然。

フレームの右上に備わるBluetooth/USBの切替ボタンは物理式。切替がFnキーを使ってではなく専用ボタンを使うのは60%レイアウトのメカニカルキーボードだと他になかったような・・・色々な機器で使う人にはここも大きな長所でしょう。

フレームの全面右側にはおなじみのエンブレムがちゃんと入っている。あと、この視点から見てもキーキャップがやや薄型だとよくわかりますね。

フレームの背面に備わるインターフェイスは有線接続用のMiniUSBとハブとして使えるUSBポートの2つ。各所で指摘されていましたが2020年の新製品でMiniUSBを見るとは自分も思いませんでした。今や中華系の安物でもUSB Type-Cを採用しているというのに・・・。自分は有線で使う事は考えていませんから実用面で気にする部分ではないですけど。

裏面に備わるDIPスイッチは6個あってキーコード変更で使うのは5個。このキーコード変更の内容が購入の決め手にもなりました。

自分はカーソルキー必要派なのでカーソルキー自体がなくても右下の4キーと入れ替えられる仕様はよく採用してくれたと賞賛を送りたい。その4キーが犠牲になる形だけれども犠牲になってもそこまで問題ではないと思うほどカーソルキーはあった方がいいです。慣れでカバーできるはず。あと、ダブルFnキーは逆に不要派なので変換・無変換に変更できるのも自分にはメリットでした。ついでにCapsLockを廃してESCにもしてみた。このキーコード変更はMINILAに求めていたカスタマイズ性ですよ。

キーボードに合わせて黒い漆塗りパームレスト「FWPR/S-SUR」も買ってみましたが、純正のパームレストならこれが一番合うというか無難だと思います。木製でも統一感があってしっくりくる。

最後にまとめる形で感想を。まだ1日2日しか使ってない段階なので後から印象とか感触とか変わってくるとも思いますが、このキーキャプは実用面で一長一短かなと。高低差のないフラットな形状は思っていたほど違和感なくて、スタンドを立てずともいい感じに打てる。ただ、パーツが別々になっているトップは面積が小さく感じて違和感が拭えず、慣れるまで少々時間がかかりそうでしょうか。でも慣れればどうって事ないだろうとも思います。
キーキャップから下の部分もしっかりした作りになっていると打っていて感じますし、非常に安定した打鍵感は申し分なし。Bluetoothの接続はPCの方もBluetooth 5.0の環境だと今のところ遅延や安定性が気になる事もなし。初代のMINILAは4年前に使うのを止めて他のキーボードに切り替えましたが、この後継機はまたMINILAを使う気にさせてくれます。客観的に見れば欠点になりそうな部分はいくつかあっても自分にはその部分が欠点にならないのでメインで使っていきそうです。
60%レイアウトのメカニカルキーボードは英語配列なら数多く存在するので別にこれじゃなくてもいいと思いますが、日本語配列は知る限りだと初代のMINILAを含めても5機しかないうえにすべて廃盤となっていますから、これはある意味救世主と言っていいかも。ちなみにRazerのSNSアカウントが「Razer Huntsman Mini」(AA)の日本語配列版を出す予定だと言っていたので、選択肢は増える可能性大。でもこっちで満足しそうだからそっちはいいかなと思っています。