Razer 『Razer BlackWidow Elite』 レビュー ~定番ゲーミングメカニカルキーボードの上位モデル~

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2019年2月に発売されたRazerのキーボード「Razer BlackWidow Elite」。
定番のゲーミングメカニカルキーボードとして地位を確立しているBlackWidowシリーズ、これはそのシリーズ内で上位機種となるEliteモデル。「Razer BlackWidow (2019)」と共に実機を試す機会をいただいたので、ここでは自分なりのレビューを記していきます。

Tournament-Grade Mechanical Keyboard - Razer BlackWidow Elite
https://www2.razer.com/jp-jp/gaming-keyboards-keypads/razer-blackwidow-elite



製品情報


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製品情報をおさらいしておくと、このBlackWidow Eliteはフルサイズのゲーミングメカニカルキーボードで、日本ではキーレイアウトが2タイプ(英語配列/日本語配列)、キースイッチが3タイプ(Green/Orange/Yellow)、計6ラインナップが発売中。今回試しているのは日本語配列・Greenスイッチのモデル。キースイッチ:Razer Mechanical Switch(Green)、押下特性:約50g、キーストローク:4mm、アクチュエーションポイント:1.9mm、キーレイアウト:109キー日本語配列、ケーブル長2m、サイズ:幅448x奥行き164x高さ42.3㎜、重量:約1422.3g、という仕様。

最新版の独自メカニカルキースイッチ・Razer Mechanical Switch採用、Razer Chroma対応のRGBキーバックライト搭載、複数のコントロール機能を備えるマルチファンクションデジタルダイアル、フルキープログラム対応、特定のキーを長押しする事で割り当てを拡張できるRazer HyperShift、オンボードメモリとクラウド上に設定を保存できるハイブリッドストレージ、10キーロールオーバー対応&アンチゴースト機能、フローティングデザイン&アルミ製トップカバー採用のフレーム、マグネットドッキング式のレザーレット製パームレスト、USBポート・4極3.5mmステレオミニ端子装備、統合ソフトウェア・Razer Synapse 3対応、などが特徴。


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開封して内容物を確認。今回は開封済のサンプルを提供していただいきましたが、抜けているものは多分ないはず。キーボード本体・パームレスト・マニュアル類の3点。キーボードはプラ製の保護カバーで、パームレストはビニールで梱包されている。

外観


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★表面・・・・キーレイアウト標準的なフルサイズの配列で、右上にメディアキー類&カーソルキー上部にインジケータが搭載。


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★裏面・・・・フレーム裏は表と違って樹脂製。滑り止め用のラバーシートが5か所に取り付けられており、スタンドが左右に設置。ケーブルが3方向に出せるようケーブルマネジメント構造になっている。


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★側面(右側)・・・・フレームがフローティングデザインになっており、フレームはやや薄型に。反面、キースイッチのカバー部から上がトップカバーから出ているので、キーボード自体は薄型というわけでもなし。寸法を見ても2019モデルより高さがあったりします。


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★側面(左側)・・・・付加機能の一つであるUSBポート・4極3.5mmステレオミニ端子はこの部分に搭載。


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★前面・・・・フレームの前面は傾斜のかかった形状で、ロゴが発光するロゴプレートが中央にあり。


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★背面・・・・90度の断崖ではなく傾斜のかかった形状。中央にはケーブルを通すホールがあり。

各部の詳細


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★キーレイアウト(左側)・・・・述のとおり標準的な日本語配列で引っかかる点は特になし。メディアキーはFn経由ではなく個別に搭載しているので、F1~F8キーは随分とスッキリしている。先にレビューした2019モデルと同じ事を言いますが、日本語配列で”かな文字”を入れていないのは好印象です。


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★キーレイアウト(右側)・・・・配列に関しては以下同文。Fn経由で使うF9~のファンクションキーは左から順にクイックマクロ記録・ゲーミングモード・キーバックライト調整・スリープモードといった内容。


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★メディアキー・・・・独立して搭載されている3個のメディアキーはクリック式で、デフォルトだと再生/一時停止と曲スキップの操作が可能。ソフトウェアの項目で後述しますが、ここもカスタマイズができるようになっています。


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★マルチファンクションデジタルダイアル・・・・このダイアルコントロールはデフォルトだとクリックでミュート、回転で音量調整が。ここもカスタマイズが可能、詳細は後述。


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★インジケータ・・・・計5個備わっていてクイックマクロ記録のみレッドで点灯、それ以外はホワイトで点灯。各マークはさり気なく刻印されていて目立たない。


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★フレーム・・・・アルミニウム製のトップカバーは質感も強度も申し分なし。手触りはどちらかといえばザラザラではなくサラサラしており、指紋が付着しても目立ちにくいマットブラック。


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★フレーム~キースイッチ間・・・・スタンダードと言えるタイプならキースイッチのカバー部はフレーム内に収まっていますが、フローティングデザインのこれはフレームから出ている構造。これに限らず同タイプのメカニカルキーボードはこのあたりが使用感に影響出ます。


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★ロゴプレート・・・・光沢パーツが使われていてロゴの部分はキーバックライトと連動して発光。ちなみに光沢パーツが使われているのはこことダイアルの一部のみ。


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★USBポート&3.5mm端子・・・・ヘッドセットなど他のゲーミングデバイスをここからパススルーで接続する事が可能。上位モデルにだけ備わっている付加機能です。


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★ケーブル・・・・編組のメッシュタイプ。上記のUSBポート&3.5mm端子が備わっている事もあってかなり太め。


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★ケーブルマネジメント・・・・中央と左右からケーブルを出せる構造になっていますが、ケーブルが太いのでしっかりはめ込まないとすぐに外れる。取り回しは正直あまり良くないです。


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★ラバーシート・・・・滑り止め用として取り付けられているラバーシートは大きめで、グリップ感は申し分なし。使っていてズレる心配はないでしょう。


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★スタンド・・・・2つのスタンドをそれぞれ上げる2段階構成。底面にもラバーシートが付いているので、上げてもズレる事はないはず。


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★ケーブルコネクタ・・・・キーボード用・USBポート用・3.5㎜端子用の3つあり。キーボードだけ接続するなら他の2つはつながなくてもOK。


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★キースイッチ・・・・先にレビューした2019モデルと同じくGreenのキースイッチはタクタイル感+クリック音のタイプ、耐久性は8000万回。使用感は後述。


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★キーキャップ・・・・透過型のABS製。2019モデルと同じ作りでこのあたりは共通というかクラス上下の差はなく。


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★キーキャップ(互換性)・・・・やらずともわかる事ですが念のためCherry MX系のキーキャップを取り付けて確認。互換性ありです。

パームレスト


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唯一のオプション的な付属品であるパームレスト、横幅はキーボードとほぼ同じ寸法で奥行きは約8.5mm。


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裏面は滑り止め用のラバーシートが6個もある。キーボードとドッキングする後方にマグネットが内蔵されている。


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レザーレットは直訳すれば模造革、他の製品でも使われていますが耐久性は結構いいものです。クッション性も手を置くだけなら十分、沈み込んでも底に当たる感じにはなりません。


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フレームの材質はキーボードと同じもので強度は十分。故意に曲げでもしなければ変形する事はないかと。


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ラバーシートもキーボードと同じもの。それを6個も付けるという手の込んだ作りに。


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装着状態(表面)。パームレストの必要性は人によると思いますが、ビジュアル面はあった方がサマになる感じです。


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装着状態(側面)。キーボードとパームレストのフレーム部はほぼ合致したドッキング具合。レザーのクッション部は結構盛っているように見えますが、他の視点から見るとバランスはむしろ良いです。あと、パームレストは前後の位置調整が少しだけできたりします。

ソフトウェア


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統合ソフトウェア・Razer Synapse 3は他の対応デバイスとまとめて使えるようになっており、モジュールを追加できるなどカスタマイズ性も充実している。リリース当初は不具合と不安定さが許容の範囲を超えていましたが、度重なる更新によって現在は随分と改善された感があり。


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キーボードの設定画面は2019モデルと同じ内容で、本体そのものが中央に載っていてキーの部分をクリックすると設定一覧が左側に表示される。左端の3本マークをクリックすると各キーの割り当て一覧も表示される。ゲーミングモードの設定を変更する欄もあります。


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フルキープログラム対応に関してはEliteモデルもFnキーとWindowsキーが設定変更不可。


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先に触れたメディアキーのカスタマイズは通常のキーと同じ形で設定が可能。


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マルチファンクションデジタルダイアルは3つの入力がカスタマイズ可能。メディアキーも含めて変形的な専用マクロキーと見ていいでしょう。


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設定項目一覧。2019モデルと同じ内容でキーボード・マウス入力の割り当てやマクロ登録、Razer HyperShiftやデバイス間の相互操作、それが直感的に設定できます。


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キーバックライトの設定画面。ここも2019モデルと共通で明るさは0~100の段階を1刻みで調整可能、キーバックライト自体を消灯させる事も可能、ディスプレイのオフやアイドル状態に合わせて消灯する事も可能。


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ライティングモードの選択・設定も同じ内容で、同社のメカニカルキーボード(Razer Synapse 3対応)は共通ではないかと。ウェーブ・オーディオメーター・スターライト・スタティック・スペクトラムサイクリング・ファイヤ・ブリージング・ホイール・リアクティブ・リップル・環境認識、発光パターンは以上の11モードあり。


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他のデバイスとLEDを連携させるCHROMA STUDIOの設定画面。モジュールを追加=インストールすれば使えるようになります。ここは設定難易度がやや高くて、じっくりいじってみないとわからない感じ。簡潔に説明するのもちょっと難しいです。

キーバックライト


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RGBで発光するキーバックライト、キートップの印字は色ムラなくキレイに光る。ただ、キー周辺は発光を考慮した作りになっていないので、2019モデルに比べるとバックライト漏れみたいな見え方に。


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ズームアップ。印字の部分は本当にキレイ。キー周辺の中途半端な光り方はフローティングデザインだから仕方なしと見るべきでしょう。漏れているといっても些細なレベルで見栄えを損なうほどではありません。


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Fnキー使用時のキーバックライトは2019モデルと同じくFn経由で機能するキーだけ白く発光します。


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マルチファンクションデジタルダイアルは使用時に独立して光るようになっており、デフォルトの設定だと音量調整時=回転させる時は白く発光、音量ゼロorミュート時は赤く発光。

ファーストインプレッション


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数日使った状態で感想を述べると、キーボード自体の剛性・安定性は使っていて文句なしの出来。歪み・グラつき・ズレなどはEliteモデルも微塵に感じません。入力に関しては良い意味で標準的、レスポンスも至って良好。評価が分かれそうなのはポジションの面。前述のとおりこのフローティングデザインはフレーム部が薄型になっていてもキーボード自体は薄型ではなく、フレームとキーの高低差が開いている事でむしろ高く感じる。別の記事で比較する予定ですが全高は前方も後方も2019モデルより高いです。なので素の状態では使いづらく感じるかもしれません。


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しかしその使いづらさはパームレストの導入によって改善・解消される。一転して使いやすく思ったりもします。なんというかパームレスト在りきで作ったメカニカルキーボードではないかと。程よいクッション感があって長時間使用でも手首まわりにやさしい。難点を強いて挙げるなら手の当たる部分がレザーレットなので、暑い季節は手汗が気になるかも。


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打鍵感・打鍵音に関しては同じキースイッチを使っている2019モデルと同じ感想です。Cherry MXの青軸に比べればやや重くてしっかりした感触。特に重い感触は人によって好みが分かれると思います。打鍵音は一般的な青軸と聞こえ方が違うけれども、それなりに音を発生してうるさいといえばうるさい。ただ、Eliteモデルはそのあたりが気にならないであろうOrange/Yellowのキースイッチも出ていますから、各自の好みに合わせて選べるのはいいですね。個人的にはYellowのキースイッチが自分に一番合っていそう。

総評


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このEliteモデルはスタンダードな2019モデルと比べてビジュアル面や機能面にも重点を置いており、価格差から考えても相応の付加価値がある上位機種だと思います。フローティングデザインの外観は洗練された見栄えになっていますし、メディアキー・マルチファンクションデジタルダイアル・パームレストなどの付加機能は実用性に長けている。使用感はパームレストさえあれば文句ない状態になるので、導入前提なら性能・機能・デザインの三拍子揃った上出来のゲーミングメカニカルキーボードでしょう。逆にパームレストの導入がどうしても嫌なら2019モデルの方を推奨します。あちらはあちらでトータルバランスは素晴らしいものですし。

パームレストといえばBlackWidowシリーズの歴史を辿ると、同じくフローティングデザインを採用したBlackWidow X系は高さに関して同様の評価がされていて、後から実質専用のパームレストを発売するというちょっと微妙な時期があったのを思い出す。その過去を知っているとEliteモデルで付属品にしたのは賢明な判断だと評したいところ。CorsairやROCCATなど他社が出している同タイプのメカニカルも大体付いていますし、フローティングデザインにパームレストはやっぱりあってナンボだと思います。ちなみに同タイプの中でパームレストの出来が一番いいのは多分これではないかと。キーボード自体の出来も負ける事はまずないでしょう。




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