ダイヤテック 『Truly Ergonomic 209』 レビュー ~使用感~

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2012年12月にダイヤテックから発売されたキーボード「Truly Ergonomic 209 (TECK209)」。
キースイッチにCehrry MX・茶軸を採用したメカニカルキーボード。そしてコンパクトサイズ・左右対称
千鳥配列が特徴のエルゴノミクスキーボード。ある程度使ってみたので、ここでは個人的な感想でも。

ダイヤテック 『Truly Ergonomic 209』 レビュー ~外観~
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ポジションは脇を少し締めて、パームレストに手根部をどっしり置くようなスタイル。指は5本フル活用。
これまで通常のタイプしか使った事がなかった自分、最初は当然というべきか結構手こずりました。
あまりよろしくないタイピングのやり方をしていたせいもあってか、中指で押していたキーを薬指で
薬指で押していたキーを小指で、という感じになり、まずそこから慣れないといけないところから開始。

メインで使うには初歩段階だと正直厳しかったので、暇を見ては試すという形を取り、徐々に慣れていく
事にしてはや1ヶ月・・・・。まだ使いこなせていない感はありつつも、実用レベルには到達したかなと。
使い始めのころ、Twitterで色々呟いている時に「エルゴノミクスキーボードは高速タイピングの用途に
適しているとは言えないよね」みたいなコメントをもらって同意していましたが、今となっては通常の
タイプよりもこちらの方が速く打てる。タイピングソフトをやるとよくわかる感じで面白いです。

その理由は左右の手、10本の指、どのキーをどれで押すかがはっきりしている事と、パームレストに
置いている手根部を動かさなくとも、通常のキーはどれも押せる範囲に収まっているからでしょうか。
要は腕を動かす事はなく、手首の動きも最低限、余計と言える移動量を省いたタイピングが可能。
腕・手首を動かさなくていい=負担が軽減される事を考えると、エルゴノミクスキーボードとしては
十分成り立っていると思います。ただ手が小さい人はちょっと違ってくるかもしれません。






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キースイッチが茶軸なので、キータッチは軽快の一言。黒軸をずっと使っていた身としては軽すぎる感も
あったりしますけど、”エルゴノミクス”という事を考えると茶軸は一番無難で万人向けと言えるかも。






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特徴の一つとなっている”親指シフト”なスペースキー、良いです。このキーだけ前傾・突出しているので
(慣れれば)非常に押しやすく打ち間違いもしない。ここに魅力を感じる人も多そうですし、重要なポイント。
左側のスペースキーの入力変更に関しては前回触れたので省略。






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右側のキー一帯はNumLockキー(上部中央にある[1]のキー)を押す事でテンキーに変化。
このキーボードが初ではありませんが、テンキーレスでこういう機能があると何気に便利ですね。






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注意すべき点があるとすればこの「Truly Ergonomic 209」、キーの刻印と実際に入力するキーが
一部で違いがあり。PC環境によって変わってくるのかもしれませんが、両端にあるキーが色々と
それに該当します。左側スペースキーも含めて、キー配置変更ソフトなどを使ったカスタマイズが
前提と考えておいた方がいいかもしれません。ちなみにファームウェアの更新が現在進行形の
ようなので、このあたりは今後何かしら変化がある可能性も。






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前回触れていなかったパームレストは、外してみると画像のとおり。装着時の奥行きは実測で約235mm
これを外すと170mmに。よりコンパクトにはなりますが、キーボードの形状からしてパームレストがないと
はっきり言って使いづらいです。手にまったく合わないって事がない限りは外さない方がいいかと。






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自分が普段使っている「DRTCKB102UBK/C」と並べてみる。横幅は一般的なテンキーレスよりも
若干小さい330mm前後。しかしパームレスト付きという事もあって、コンパクトだけれどもスリムとは
言えない見た目ですが、個人的に奥行きは気になる部分でもなく、小さくまとまっている印象です。






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高級感はないけれどチープでもない、形状を除けばシンプルかつベーシックな作りのキーボードなので
トゲトゲしいゲーミングデバイスに囲まれても、浮いている感じはそこまで無し。Nキーロールオーバーに
対応していますし、WASDキーまわりが並列より意外と押しやすいのでゲーム用途でも悪くないかも。

最後にまとめ。一つ言える事は、ちょっと触った程度で合う合わないの判断はしない方がいい代物。
こういうタイプの経験者、あるいはよほどセンスある人でなければ最初から使いこなす事はできないと
思いますし、慣れるまでに費やす時間はそれなりに必要と痛感するキーボードです。慣れたら面白い。

とはいえ独特な配列なので誰しもが合うとは言えない。特に手が小さい人は、打ちづらいキーがある
→手・腕を動してしまう→全然エルゴノミクスじゃないすか!やだー!・・・・って事になりかねないので
正直オススメはできません。手が大きいからって必ず合うとも限りませんが。

エルゴノミクスキーボードといっても本格的なタイプはごく少数。日本で販売されている代表的なものは
Kinesis Advantage USB Contoured Keyboard」(AA)と、この「Truly Ergonomic 209」の2機種くらい。
Kinesisの独特すぎる立体的な形状に比べれば難易度は低いと思うで、こちらはある意味”入門用”に
なるでしょうか。

一般的な目で見ると結構な高額品ですが、本家の直販価格(定価249ドル)を考えるとむしろ抑えている
方ですし、仕様・出来からして価格は妥当と評価していいのではないかと。日本では現在19,800円で
販売中、取り扱いは現在ダイヤテックの直販サイトのみとなっています。