『On-Lap 1302』 レビュー ~ノートPC向けサブモニター第二弾~

台湾・GeChic社の13.3インチ液晶モニター「On-Lap 1302」。
接続は映像端子、給電はUSBからとなっている、ちょっと特殊なノートPC向けのサブモニター。
2011年12月に発売された「On-Lap 1301」(以下:旧モデル)に続く新モデル。デザインは一新され
軽量・薄型になり、HDCP対応にもなったのが大きな特徴。日本でも発売予定となっていますが
またレビューする機会をいただいたので、色々と触れてみます。
Gechic Corporation - PRODUCT
http://www.gechic.com/product_jp.asp

まずは開封して中身の確認から。モニター本体・専用ケーブル・装着用ホルダー・装着用シール(予備)
ケーブルバンド・取扱説明書(兼保証書)、といった内容物。説明書は全て日本語で書かれており
保証期間は購入から1年間となっています。

装着用ホルダーはノートPCと合体するために必要なもの。旧モデルは吸盤で引っ付ける装着方法でしたが
「On-Lap 1302」はこれをノートPCの天板に貼り付ける事が必須となります。

専用ケーブルは給電用のUSBケーブルと映像端子のHDMIケーブルが一体化しているもの。
旧モデルは各ケーブルが分かれており、USBはモニターに直結。ケーブルの長さが短かったのも
難点とも言えるところでしたが、これは全長:約1mで十分な長さになりました。付属のケーブルは
HDMI用のみで、D-sub(VGA)やMini DsplayPort用のケーブルはそれぞれ別売りとなっています。

旧モデルではオプション品だったラバー製のスタンド「Stand Bricks」。今回は付属品となっています。



モニターは、液晶サイズ:13.3インチ、表面処理:グレアパネル(光沢)、解像度:1366x768(WXGA)
アスペクト比:16:9、輝度:200cd/m2、コントラスト比:500:1、最大表示色:26.2万色、応答速度:16ms
視野角(下/上/左/右):20/45/45/45、サイズ:縦227x横334x厚さ8mm、重量:654g、というスペック。
液晶画面とフレームが分かれる構造だった旧モデルに比べて、ヒンジ付きプレートのみ備わっているだけの
スリムでシンプルなものに。旧モデルの厚さが13.8mm、重量が865g。だいぶ改良されている印象です。
軽量にはなりましたが、筐体はむしろ強化されたような材質。旧モデルにあった脆さも解消されました。

旧モデルはブラックでしたが「On-Lap 1302」はホワイトに。画面と枠がフラットのデザインになっており
まるでiPadのホワイトモデル。ちょっと無骨だった旧モデルに比べると、スタイリッシュな外観です。

操作ボタンはタッチ式。旧モデルは物理的なボタンで裏面に設置されていましたが
「On-Lap 1302」は前面になり、操作性も改善されました。

液晶の表面処理は引き続きグレアパネル。反射もそれなりにします。


ケーブルの接続はカバーを開けないといけなかった旧モデルに比べて、かなり簡単になりました。
コネクタ部がモニターと一体化するデザインになっているのもGood。

ヒンジ付きプレートはプラスチックっぽい裏面の材質とは違い、スチール製です。
モニター各所の説明は以上。さてここからはノートPCに取り付ける段階に入ります。

下準備でやる事は、装着用ホルダーをノートPCの天板に貼り付ける事くらい。装着シールの
予備は付属していますが、粘着力は強く一度はがすとダメになるので、向きと位置は慎重に。
ヒンジ付きプレートとの合体はスライドさせてロックする形。2段階ほど高さ調整が可能です。
ホルダーも無骨なスチール製なので、貼り付けた状態はちょっと浮いちゃいますね。



旧モデルと同様に、並べる形でデュアルディスプレイ化できるモニター。液晶はノートPCで採用されている
パネルだと思うので、映りはそれなりという印象。色合いは自然な方で、発色もスペックを考慮すれば悪くない。
今回使用したノートPCはこないだ購入した15.6インチの「G570 4334CSJ」ですが、「On-Lap 1302」の方が
いいと思える映りです。というかG570の液晶、青みが強くちょっと不自然な色合いだったのね・・・・。
旧モデルに比べてスリムかつシンプルにはなりましたが、画面枠はそれとトレードオフみたいな形で
太くなっているので、ノートPC装着時の見た目(前面)は旧モデルの方がいいかもしれせん。


視野角はスペックの数字を見ても良いとは言えませんが、左右はその数字の割に悪くない印象。
でも下はやっぱり狭いです。ノートPC用の液晶パネルでしょうし、これは仕方のないところじゃないかと。

旧モデルと同様に動画再生もいい感じ。基本的な用途なら十分な映りです。



OSDのメニューは旧モデルと同じ仕様。言語は見てのとおり日本語表示ができるようになっています。
HDMI接続の場合は、輝度とコントラストの調整が可能。OSDタイマーはOSDメニューの表示時間です。


ノートPCの液晶と変わらないくらい薄くなり軽量にもなったので、装着時の使い勝手は旧モデルより
全面的に良くなっているはずと思いましたが、いざ使ってみると気になるところがいくつかありました・・・・。

まずモニターをちゃんと回転させるためには、天板からちょっとはみ出る位置に装着しないといけません。
というわけで折りたたみ時は画像のような状態になります。

ケーブルは画像のようなポジションになり、モニターと一緒に動くので無闇に開いたり閉じたりしてると
太い映像端子のケーブルがちょっと捻る形になります。そんなに頑丈でもないのでノートPC装着時は
気にして見ていた方がいいところ。

最後にノートPCとモニターの装着部はヒンジの部分だけなので、フレームを天板の全面に装着していた
旧モデルよりも安定性が良くありません。画面を並べた状態だと揺れに弱く、グラつきがちょっと気になります。
吸盤で引っ付けるやり方に比べると、着脱のしやすさは断然にこっちの方がいいですけど。
気になったところは以上の3点。致命的というわけではありませんが、ノートPCに装着して使う場合は
旧モデルの方がいいかもと思ったりもします。

ただ旧モデルよりも大幅に改善されたと思うところはケーブルの長さ。旧モデルは実質35~40cmくらいしか
長さがなかったので、設置の自由度が微妙でした。「On-Lap 1302」のケーブルは約1m。モニター単体で
使用する場合は、これくらいの長さがあった方がいいですね。


ケーブルが長くなった事によりノートPCの周辺、どの位置にも置く事ができるようになりました。
モニター自体にはスタンドが備わっていないので、単体の場合は「Stand Bricks」を使います。

別売りになりますが、On-Lapシリーズ用スタンド「Stand Bricks 2」というオプションアイテムもあり。
付属のスタンドよりもがっちりとしており、モニターをはさむ形で固定もできるので安心感が違いますね。
このスタンドについては別記事でレビューしてます。

ここまではノートPC用のサブモニターとして触れてきましたが、USBモニターとは違い給電以外は
普通のモニターと変わりないものなので、デスクトップPCのメインモニター(プライマリ)としても使えます。
またHDMI出力が備わっているデジタルカメラや、スマートフォン・タブレットの外部モニターとしてもOK。
電源供給はUSBモバイルバッテリーからも可能。人によっては幅広く使えるモニターかもしれません。
自分もスマートフォンで試してみましたが・・・・GALAXY NEXUSではうまく表示されないみたいです。
モニターにはフルHDでもHDでもなくVGA(640x480)で認識され、なぜか横長の超ワイドな表示に。
これは旧モデルでも同じ状態になります。ちなみにスマートフォンでの使用を説明している公式動画が
Youtubeに投稿されており、iPhone 4S/Galaxy S2/HTC Sensationといった機種は正常に表示できる
ようなので、おそらくGALAXY NEXUS自体の相性、もしくはAndroid 4.0が原因っぽい?

そして幅広く使えるモニターという面では、大きなポイントになりそうな”HDCP対応”。
旧モデルは未対応でPS3に接続しても何も映りませんでしたが、これは問題なく映ります。
音声は別途でつながないといけませんが、これで多種多様にいけるモニターになりました。

ブルーレイの映像ももちろん表示可能。画像は変に写っちゃいましたが、それなりにキレイです。


ゲームプレイではどんな感じなのか、体験版(Call of Duty: Black Ops/ぎゃる☆がん)で試してみました。
動画では応答速度とか特に気にもなりませんでしたが、動きの激しい・速いゲームとなるとそのあたり
弱いと実感。まったくダメというわけではないものの、動きにちょっとついていけてない感じでしょうか。
とはいえゲームやテレビの映像が表示されるようになっただけでも、個人的には大きなメリットです。

あれこれ触れていたらかなり長い内容になっていましたが、こういう特殊なモニターは大手メーカーが
参入してきそうもないニッチなジャンル。競合するような他社の機種も出ていませんし、比較対象となるのは
やはり旧モデルの「On-Lap 1301」だけになるでしょうか。デザイン・サイズ・重量・機能といった点は確かに
改善・改良されていますが、前述のとおりノートPCに装着して使う場合は気になるところがいくつかあり。
カラーの違いもありますし、どちらが良いかはどの用途がメインになるかで違ってくるかもしれません。
ただ総合的に見ると、「On-Lap 1302」の方が魅力的。サブモニターではなくメイン・外部モニターとして
使う場合は圧倒的にこちらの方がいいですね。今から新旧どちらを購入するかって事になれば迷う事なく
新モデルの方を選びます。日本での発売予定日は4/13、価格はオープン(店頭想定価格:19,800円)。
現在15,000円前後で販売されている旧モデルよりも若干高くなりそうですけど、価格相応の価値はある
面白いモニターだと思います。便利ですよ。
13.3インチ 液晶モバイルモニター ON-LAP1302
posted with あまなつ on 2012.04.05
GeChic Corporation
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