上海問屋の70%/日本語メカニカルキーボード『DN-915850』を買ってみた

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2019年8月に発売された上海問屋のキーボード「DN-915850」。
DN-915598」のバリエーションモデルとなる70%レイアウトで73キー日本語配列のメカニカルキーボード。5,000円強という手ごろな価格も魅力となりそうな一品ですが、店舗へ寄った時に物欲が沸いて購入。ついでにざっと触れてみます。

上海問屋 日本語73キー コンパクトメカニカルキーボード Gateron青軸 DN-915850
https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_parts.php?ic=460104&lf=2



製品概要


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まず製品情報をおさらいしておくと、このキーボードは数年前に海外で人気を博したMagicforce Smartがベースになっているもの。メーカーの製品リストに日本語配列のモデルが掲載されていたので当時どのような形で出すのか気になっていましたが、上海問屋の独占販売という形に。2018年12月に発売された上記のDN-915598とはキースイッチとキーバックライトが違っており、主な仕様は以下のとおり。キースイッチ:Gateron青軸、キーレイアウト:73キー日本語配列、キーピッチ:19mm、サイズ:幅337x奥行き104x高さ37mm、重量:約546g。


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パッケージは簡素な段ボール素材にラベルが貼られている。店舗で買ったものは表面にイメージ画像をプリントした紙が貼られていましたが、通販品は多分それすらないのではないかと。


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内容物はキーボード本体とUSBケーブルのみ、説明書などの類は一切なし。詳細は公式サイトを見てくれって事なのでしょう。

外観・各部の詳細


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★全体表面・・・・70%レイアウトでも種類がいくつか存在しており、これは右上のキーが4個あってカーソルキーの配置は左に詰めておらず少し余裕があるタイプ。フローティングデザインのフレームを採用している事もあってスッキリ見える外観。


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★全体裏面・・・・表面のフレーム=トップカバーは金属製ですが、裏面は全体的に樹脂製。MiniUSBのインターフェイスは中央左上の位置にあってケーブルを少し通す形で接続。滑り止めのラバーシートは4個あり、スタンドもあり、DIPスイッチもあり。


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★全体側面・・・・フローティングデザインでも傾斜が結構あってフレームもやや厚めになっているので薄型とはちょっと言えない。


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★全体前面・・・・この視点から見ると手前だけは薄型に見えますかね。でもキースイッチが顔を出していてキーキャップも通常のタイプなので、全高は普通のメカニカルキーボードと変わらないでしょう。


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★表面左側・・・・ほぼ標準的な日本語配列のキーレイアウトになっているので、引っかかる点は特になし。メディアコントロール類のファンクションキーが下から2列目に備わっていたり、WinキーロックがEscキーの部分に備わっているのは特殊といえば特殊かも。


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★表面右側・・・・一列目の変換~Ctrlキーは少し特殊な配置と言えるかもしれないけど、慣れればどうって事なさそうで許容範囲。それより右上4キーにE/JがあってInsがFn経由になっているところは賛否が分かれそう。視点を変えて低価格の日本語配列なのにキーキャップは”かな文字”なしの刻印で、不要派の自分にとってはかなり好印象です。


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★キースイッチ・・・・公称どおりGateronの青軸。カバーはスケルトンで上部に丸型のLEDが備わっている。


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★キーキャップ・・・・よくあるキーバックライト透過型のABS製、作りは可もなく不可もなくといったところ。価格を考えるとこんなものでしょうし、裏面の処理はとてもキレイとは言えないですけど粗雑ではないです。


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★トップカバー(表面)・・・・しっかりした金属製で指で強く押しても形が歪むことは無し。質感はスマートフォンやタブレットの金属ボディと似ているかな?、ほんの少しザラつきのある手触りです。


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★トップカバー(側面)・・・・鏡面加工されていてデザイン性が高くなっているけれども、指紋の付着は目立ちそうです。


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★フレーム~キーキャップ間・・・・フローティングデザインなので横から見るとキースイッチのカバー部が丸見え状態。


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★ラバーシート・・・・裏面4ヶ所に備わるラバーシートの固定力は良い意味でそれなり。普通のデスク上で使うならズレる心配もそんなにないかと。


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★スタンド・・・・スタンダードなワンステップ式。ラバーパーツが使われているので立ててもラバーシートに近い固定力はあります。


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★DIPスイッチ・・・・①CapsLock⇔Ctrlの入れ替え、②Windows⇔左Altの入れ替え、③Windows⇔Fnの入れ替え、のカスタマイズができる模様。その入れ替えに合わせたキーキャップも別売りで用意されています。


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★インターフェイス・・・・MiniUSBのUSB端子は裏面の内部に備わっている形。後部の側面に備わっている形とどちらが良いかは好み次第。自分はケーブルの着脱に少し手間がかかりそうなのであんまり好きではないです。


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★ラベル・・・・Magicforce製なのは間違いないでしょうけど裏面のラベルにもその事が記載されていないので、表向きはノーブランド品という形になるでしょうか。2019年7月製造のシールも貼られています。


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★全長・・・・キーボードの全長も一応測ってみると公称どおり約337mm。


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★ケーブル・・・・一般的なビニールタイプでコネクタが金メッキなのは少しプラス要素。でも長さを測ると約1.6mで短いのはマイナス要素。

キーバックライト


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製品情報だとイエローのカラーになっているキーバックライト、実際は完全にオレンジと言える色合い。輝度調整は5段階でMAXでもそんなに明るくないというかちょうどいいレベル。ライティングモードは豊富に備わっていて8種類あり。


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キーキャップ刻印の発光は(輝度MAXだと)ほどよく光る感じでムラもなく割とキレイ。トップ下側の刻印はLEDが上側に位置する事もあってまったく光りませんが、半端に光るよりかはいいでしょう。


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暗所でもちょうどいい発光具合。部屋の明るさ問わず割とキレイに光るのはLEDカラーのおかげなのかよくわからないですけど、目に刺さるほどの派手さを求めていないなら十分な出来ではないかと。

ProgresTouch RETRO TINYとの外観比較


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70%レイアウトで日本語配列のメカニカルキーボードは他にVarmiloの「VA73M」(AA)とARCHISSの「ProgresTouch RETRO TINY」(AA)しか存在せず。比較するならタイプが近い前者の方が適している、でも持っているのは後者の方だけなので今回はそちらで。TINYは右上2キーでカーソルキーが左に詰めている形なので、全長はこちらもよりも少し短い。通常エリアのキーは一列目と右Shiftキーを除けば同じ配列。一列目は各キーの大きさや配置、それと右Altの有無などいくつか違いあり。・・・・しかしこうして撮影するとTINYは3年使っている事もあってキーキャップのテカリが目立つなぁ。でも二色成型のおかげで刻印がまったく擦れていないのは改めて素晴らしいと思う。


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全長の差はキーキャップ1個分にも満たない1.6mm程度。それくらいならキー数が少し多くて詰めた配置になっていないこちらの方がいいと思うかもしれませんが、コンパクトサイズでこの差は数字以上に感じたりもします。できるだけ小さいサイズを求めて使っているわけですから、この差の影響は決して小さくないです。


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側面で見比べるとフローティングデザインのこちらが薄いと錯覚するけれども、実際の全高は変わらないどころか後方の部分はこちらの方が高かったりする。


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前面を並べて見比べると高さの違いがわかりやすいかと。こちらはフレーム部が薄いだけで傾斜もかかっているので、手前以外は少し高いです。フローティングデザインの仕様とも言えるでしょうか。

ファーストインプレッション


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打鍵感の違いはキースイッチ以外の部分も関わってくるので、このGateron青軸がCherry MX青軸と比べてどうなのかはコメントしづらいし、なんとなく違いを感じるけれどもそれを言葉で表現するのもちょっと難しい。カチャカチャうるさくてキータッチが軽めの典型的な青軸なのは間違いない、でもCherry MXより少し硬いかも。

キーボード自体は思っていたより使いやすく、一列目や右上4キーに慣れさえすれば実用十分。フレーム部の強度も想像以上に高いので、底打ちするほど強く打ち込んでも貧弱さは感じません。ただ、普通にタイピングするのは何ら問題ないけれども、ゲームとか速さを要する用途では言われていたとおり向いていない気がする。


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また、普段パームレストを使っているならこのモデルも導入が前提になるかと。キーボード自体がフローティングデザインの70%レイアウトという特殊なタイプなので、これに合致するようなものはそこらで売っていないかもしれませんけど。

総評


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最後にまとめる形で感想を。真っ当な日本語配列になっている70%レイアウトのメカニカルキーボードが5,000円強の価格、冷静に考えるとこんな特殊なタイプをそんな低価格でよく出せたな・・・・と感心します。レイアウト問わずで見ても日本語配列のモデルでは最安の存在になるでしょうから、とにかく安いです。世界で人気を博したMagicforce Smartがベースになっている事もあって、価格の割に品質は上々で完成度も高い方だと思います。

ただし上記のVA73MやProgresTouch RETRO TINYに匹敵する出来かといえばそうでもなく、あくまで低価格のメカニカルとして見ればの評価。メイン使用で考えていて予算に上限がないなら、その2つのどちらかを選んだ方が後悔しないと断言できます。自分はTINYで何かトラブルが発生した時の代役それとコレクションの目的で購入しましたし、実際使ってみてもTINYから乗り換える気にはならなかったので、この後は保管して気が向いた時に出すくらいかと。

でも日本語配列のコンパクトなメカニカルキーボードは年に一つか二つ出ればいいような状況になっているので、どんな形であれ出してくれるだけでも正直ありがたい。微力ながらこうやって取り上げる事で少しでも次につながれば・・・・。そういえばMagicforceは第2世代モデルが7月ごろに登場して、価格は相応に高くなっているけれどもPBT製キーキャップ採用だったりBluetooth対応だったり進化している模様。そちらの日本語配列版もちょっと期待したいところです。




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